徒然なるままに~人生三角折主義~

あくびしてる猫の口に指突っ込むときくらいの軽い気持ちで見てください。

storyでワカル言葉の由来辞典①~「面白い編」④~

※先にこちらをお読みください。(上から)

storyでワカル言葉の由来辞典①~「面白い編」①~ - 徒然なるままに~人生三角折主義~

storyでワカル言葉の由来辞典①~「面白い編」②~ - 徒然なるままに~人生三角折主義~

storyでワカル言葉の由来辞典①~「面白い編」③~ - 徒然なるままに~人生三角折主義~

 

それから1年後、ヨシノヤは故郷であるウシグルマ村に帰っていた。

悪い予感ほどよく当たるもので、障害は彼の右腕にのこった。右腕の肘から先を動かすことができなくなってしまったのである。

9ヶ月にわたる懸命なリハビリと膏來苑の針治療のおかげで日常生活は送れるようになったが、プロアームレスラーへ復帰することは叶わなかった。

 

初めこそ神を恨み、猪を恨んだヨシノヤであったが彼の性格上長い間くよくよすることはなかった。プロアームレスラーを引退し、自分を育ててくれた村に恩返しすることに決めたのである。

それからの彼の生活はとても充実したものだった。村人は彼を大いに歓迎したし、旧友との再会も果たした。帰郷後すぐに始めた薬局も軌道に乗り、彼の第二の人生は順風満帆であった。

 

しかし、ヨシノヤはそれだけで満足するような男ではなかった。薬局の第二店舗ができたころに、彼はアームレスリング倶楽部を開設したのだ。プロとして生きることはできなくなったが、今までの経験を次の世代に伝えることはできる、そしてそれが自分の使命である、と彼はそう考えた。

その後彼はトレーナーとして世界に名を馳せた。

 

それから彼の人生の幕がおりるまで、トレーナーとして活躍するかたわら彼は村の為に力を尽くした。

ボウリング場の設立、キリスト教の教会建立、精子バンクの設置、新型爪きりの開発、婚活パーティーの開催…薬局経営やトレーナー業で得た利益を全て村の為に費やした。

村人はみな彼のことを愛していた。

 

つづく