ぼくが彼女に出会ったのは10月の半ば、例によって深夜のさんぽをしていたとき。 住人が寝静まった後のこの街を誰にも気づかれないようにひっそりと歩くのは何ともいえぬ気持ちよさがある。夜の風がぼくの身体を包む。 普段なら絶対誰にも気づかれないように…
船虫の① ぼくが街を出歩くのは闇が世界を支配する深夜2時過ぎ。 本当はぼくだって堂々と太陽の下を歩きたいんだけど、みんなが大騒ぎをするから、それはできない。 ぼくの身体は船虫だから。 上から押しつぶされたみたいに平たくて、いくつもの節に分かれた…
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