痴女、夜道をいく。~痴女の生態を暴け~
八月某日午前2:30
痴女のおでかけは丑三つ時に始まる。
痴女が外を出歩く際、服を着ることは無い。痴女が痴女であるために痴女は服を着ないのだ。
服は着ずとも靴は履く。痴女のfavoriteは厚底ブーツ。服も着ていないのに厚底。12cmはある厚底。痴女のこだわりである。
髪型はポニーテイル。全裸なのにポニーテイル。シュシュでポニーテイル。LANVIN en Bleu WOMENのシュシュ。これも痴女のこだわりである。
痴女はブーツを履くとき必ず右足から入れる。痴女はジンクスを信じるタイプだ。
痴女は家を出る。外は真っ暗闇が広がっている。夜のこの街は痴女の庭である。
夜風が全身に当たることに快感を覚える。スースーするとかそういうレベルではない。なんかもう全身でキシリッシュを噛んでいるようなそんな感じである。
痴女は例え下手である。
痴女はどんな男にでも自分の肉体を見せるわけではない。夜道を一人で歩いている男がいてもすぐには近づかない。まずはどうにか前方に回りこみ、顔を確認する。
かっこよければ良いというものではない。大切なことはもっと深いところにある。
及第点を取った男の眼前に、痴女は躍り出る。するとたいていの男は驚き唖然とした表情を見せる。その顔に痴女はたまらない快感を覚える。
午前4:30
痴女のおでかけが終わる。痴女は家に帰り、服を着て寝る。
痴女は8:00出社だ。そのために充分な睡眠も取れず、6:00起床。
こうして痴女の夜が終わり、朝が始まる。